この記事を見ているあなたはこんな悩みを抱えていませんか?
あなたの気もち、よくわかります。
私は現役の内部監査人。
内部監査の職に就いた当初、Googleで「内部監査」と検索したところ、検索候補に以下のネガティブワードが並んでいるのを見て、落ち込みました…
「サラリーマンとしてのキャリアが終わった…」と、
地獄への入り口に立っている気分だったよ…
しかしこれをきっかけに「なぜ内部監査職は、閑職のイメージなのか」「どうしたらイメージを払拭できるのか」と考えるようになりました。
「自分にできることをしよう」とCIA(公認内部監査人)の資格をゲットするなど、工夫して5年取り組んだ結果、他部署から相談が増えるなど頼られるように。
少しずつ周りの『内部監査=閑職・左遷先』のイメージを、変えることができました。
この記事では、内部監査の実務経験5年以上で現役CIA(公認内部監査人)の私が、自身の経験を活かして以下をわかりやすく解説します。
私は「内部監査に異動になって、サラリーマン生活が終わった…」と誤った思い込みで、メンタルダウンしてしまいました…
あなたはこの記事を最後まで読み、私のように誤った思い込みで時間をムダにしないで、そのエネルギーを内部監査人としてキャリアアップに使えるようになってください!
※この記事でご紹介している講座受講料やその他の料金は、記事執筆時の各公式サイトの価格です。
【ご存じですか】「内部監査部門は閑職・左遷先」と言われる3つの理由
内部監査室って定年近いおじさんたちが集まる窓際部署でしょ?
あなたの会社でこんな声を聞いたことはありませんか?
なぜGoogle検索候補に「内部監査室=閑職・左遷先」と出るほど、ネガティブイメージが定着してしまったのか。
この理由について、現役内部監査人の私が自身の経験と、知人のベテラン内部監査人にリサーチした結果から解説します。
閑職・左遷先と言われる理由1.監査に必要なスキルを人材が『ベテラン』に多い
内部監査職が閑職・左遷先と言われる理由のひとつに、内部監査部門は「ベテラン社員」が多く配属さ職種である事実があります。
「ベテラン社員が多く集まる部門」=「閑職・左遷先」と連想で生まれたイメージが、内部監査職に定着しているようです。
平均年齢が高い部門は「おじ捨て山なのかな…」って思っちゃうよね…
現役内部監査人の私の意見では、ベテランが多い職種なのは確かですが、「仕事ができないおじさまを集めた部門」というのは違います。
むしろ逆。
監査人として要求される高度なスキルセットを持つ人材がベテラン社員に多いため、必然的に内部監査部門は年齢層が高めになっています。
スキルセットって、仕事で必要な知識・技能の組み合わせだよね?
内部監査人はどんなものが要求されるの?
たとえば以下のとおり。
たしかにこのスキルはベテラン社員の人が持っているイメージだね…
そうなんです。
しかし外から見ると、単に「監査部門にベテラン社員が多く集まる」ように見えるので、「ベテラン社員が多く集まる部門」=「閑職・左遷先・おじ捨て山」のイメージが生まれてしまっています。
閑職・左遷先と言われる理由2.社員からの評判が悪い
内部監査の仕事は社内の人間から嫌われやすく、それにより「閑職・左遷先」など陰口を言われやすい職業です。
嫌われやすい理由は、内部監査部門の役割は「警察官」の役割に近いものがあるから。
監査の仕事では、経営の効率性や法令遵守などを評価するため、他部署の業務を点検し、時には厳しい意見を出すこともあります。
そのため、他部署からは「厳しく監視する部署」「問題を指摘する部署」というイメージを持たれがちで、社員からの評価が悪くなることもしばしばです。
わかる、煙たがれるよね…
閑職・左遷先と言われる理由3.内部監査の業務内容が、外から見るとわかりにくい
内部監査は他部署など外から見ると業務内容がぱっとイメージできず、直接的なメリットが見えにくいため、閑職と捉えられることが多い仕事です。
ぼくも同年代から「内部監査部門?何する仕事なの?」
ってよく聞かれるよ…
内部監査部門のメインの業務は、企業の内部統制や業績等を評価し、問題がないか検討すること。
「会社の経営上のリスクを防止・発見する、縁の下の力持ち」な重要な仕事ですが、緑の下から出る機会はほとんどありません。
そのため外の人からは「内部監査はベテラン社員が集まって、よくわからない仕事をしている部門」=「閑職・左遷先」と誤解されることの多い仕事です。
【ご存じですか?】内部監査室が閑職・左遷先ではなく出世コースである3つの理由
内部監査職はやっぱり閑職・左遷先なんじゃないの…
あなたもご紹介した「内部監査職が閑職・左遷先と言われる理由」を知り、同じように思っていませんか?
安心してください。
「内部監査室=閑職・左遷先」の認識はもう古い!
実態は「内部監査室=出世コース」である理由を、現役内部監査人で同期の出世頭となった私が、データを用いてわかりやすく説明します。
順にわかりやすく解説します。
出世コースである理由1.グローバル企業での内部監査室の地位の向上
内部監査職は企業の業務全般を広く深く理解することができる部門のため、将来の会社経営を担う有望な人材を配置する「出世の登竜門」と位置付ける企業があります。
たとえば、アメリカの大企業ゼネラル・エレクトリック社。
CEOを務め「伝説の経営者」とよばれたジャック・ウェルチ氏は内部監査部門の出身です。
あの有名なGEのCEOも、内部監査出身なんだ!
内部監査職は、各部署の業務プロセスや内部統制をチェックするため、企業の業務全般を広く深く理解することができます。
これは、経営者に必要不可欠な経験である、現場の声を直接聞く機会でもあります。
将来の経営者を育てるのに、もってこいの部門なんだね!
出世コースである理由2.キャリアアップに必要な知識やスキルが身につく
内部監査職は経営層へのキャリアアップに必要な知識やスキルが身につくため、出世コースに組み込まれる部門。
内部監査は仕事上、会計の知識や各種法令、企業内のルールの確認等、専門的な知識や技術が求められます。
業務をとおして、これらの知識や技術を身につけることで将来的に経営層への出世の足掛かりになります。
経営層は財務諸表とか、
業務ルールへの造詣が求められるもんね…
そのとおり。
私も監査業務で必要だと思い身につけた資格やスキルが、昇格査定で有利にはたらくことが多く「監査部門での経験はキャリアアップに直結する」と感じました。
監査業務で身につく知識やスキルは、キャリアアップを目指すあなたの助けになってくれます。
この事実は内部監査が決して閑職や左遷先ではなく、個々のキャリア形成に貢献する「出世コース」としての重要な役割を果たしていることを示しています。
出世コースである理由3.会社の経営に大きな影響を与える職種
内部監査の仕事は企業の経営に大きな影響を与える重要な仕事であり、経営層からの期待を背負う出世コースに位置付けられやすい部門です。
たとえば、不正行為の早期発見やリスク管理の強化などの監査の仕事。
これらは企業の安定経営を支える重要な役割のある仕事であり、内部監査員がリスクを見つけ、解決した場合、会社は大きな損失を避けられます。
たしかにこんな重要な仕事は、
期待している社員にしか任せられないよね
そのとおり。
コンプライアンスが叫ばれる昨今、経営層からの期待も日増しに大きくなり、「出世コース」として優秀な人材を集める上場企業が増えています。
内部監査室は閑職・左遷先と言わせないためにあなたがすべき3つのチャレンジ
ご紹介したとおり、内部監査部門は「閑職・左遷先」ではなく、出世コースに組み込まれる重要な部門です。
しかし他部署など世間の人は、まだ「内部監査=閑職」のイメージが強いのが、現状…
世間の風当たりは厳しいね…
あなたも白い目で見られずに、「内部監査は重要な仕事」だとわかってもらい、気持ちよく仕事をしたいですよね。
そこで現役内部監査人の私が実践し、内部監査部門が他部署から頼られるようになった3つのチャレンジをご紹介します。
「内部監査室は閑職・左遷先」とは言わせない!あなたができること1.資格やスキルの取得
「閑職・左遷先・窓際部署」と言われないためには、実力や資格、スキルをゲットし権威性を出すのが大切です。
内部監査の仕事は、教師や医者と違って資格がなくてもできます。
しかし、抽象的な議論になりがちの監査において、具体的かつ説得力をもって意見するには、やはり資格が必要です。
おすすめの資格は以下のとおり。
イメージ | 資格名 |
---|---|
CIA(公認内部監査人) | |
簿記2級 | |
CFE(公認不正検査士) | |
CISA(公認情報システム監査人) | |
Microsoft Office Specialist Excel エキスパート | |
TOEICスコア600~800 | |
公認リスク管理監査人 | |
・内部監査士 ・システム監査専門内部監査士 ・金融内部監査士 |
特におすすめなのは、CIA(公認内部監査人)。
私も取得しましたが、内部監査の専門性やスキルを証明するこの資格は、監査法人の会計士からも一目おかれるほど権威性があります。
実務で統制上の問題が発生し、上司に報告するときもと理由と改善案をセットで報告できるようになります。
資格やスキルをゲットしておじさまたちのなかで異彩を放てば、。周囲も「あいつだけは違う」と認識を変えてくれるはずです。
CIA(公認内部監査人)や他のおすすめの資格、スキルを下記の記事で紹介していますので、ぜひお読みください。
「内部監査室は閑職・左遷先」とは言わせない!あなたができること2.ソフトスキルの習得
ソフトスキルは資格や数値で表すのが難しい、抽象的なスキルです。
コミュニケーションスキルとかだね!
仕事上、人と関わることが多い内部監査人には非常に重要なスキルです。
一般的に監査では、発見された問題の改善提案をしますが、現場とコミュニケーションがとれていないと、改善してもらうのに非常に時間がかかってしまう可能性があります。
たとえばチェック項目を増やすなどの業務ルールの追加。
あなたも現場で働いていたらどうでしょう?
こんな簡単な改善でも、単純に業務が増えるのが嫌で受け入れたくないですよね…
これは一例ですが、現場に監査の必要性や重要性を理解してもらいスムーズな監査を行うためには、感情の生きものである人を動かすソフトスキルが必要不可欠です。
下の記事で内部監査に必要なソフトスキルを解説しているので、ぜひご覧ください。
「内部監査室は閑職・左遷先」とは言わせない!あなたができること3.現場とコミュニケーションをとる
社内で内部監査室に対して悪いイメージがあるのは、現場とコミュニケーションが足りていないのも一因です。
監査のときだけやってきて、うるさく言って改善だけ求める部門、あなたが現場で働いていたら「ウザすぎる…」と思いますよね…
こうならないためには、現場とコミュニケーションを図り、有用性を示すのが大切です。
たとえば昇格であたらしく内部統制の担当になった、上長とのコミュニケーション。
内部統制について右も左もわからない方に内部統制の実務的な研修を提案し、年間を通した内部統制の対応を説明し不安を取り除いてあげるのも手です。
パイプを作れれば、問題があったとき相談先として頼ってくれますし、監査の必要性も理解してくれているので改善策も前向きにとらえてくれるかもしれません。
「内部監査部門はうるさい部署ではなく、業務ミスが発生しないような仕組みづくりを助けてくれる」
そんな使える部門のイメージを作るためには、コツコツ現場とコミュニケーションを図るのが大切です。
CIA(公認内部監査人)資格試験の全体像の把握におすすめガイドブック2選
資格取得で紹介のあったCIA資格、興味あるかも!
そんなあなたにピッタリのCIA資格・試験がパット把握できるガイドブックがあります。
CIA試験運営団体のIIAはCIA受験者向けにシラバスを公表していますが、正直、量が多く文字ばかりで理解に時間がかかります…
ご紹介するガイドブックは情報がコンパクトにまとまっており、パパっと理解できるので、ぜひチェックしてみてください!
順にわかりやすく解説します。
CIA(公認内部監査人)資格試験独学者におすすめのガイドブック1.CIA(公認内部監査人)合格へのパスポート(第2版)
こうやって独学で合格した知人は、
「CIA合格へのパスポート」で試験の全体像を把握しました
テキスト名 | CIA(公認内部監査人)合格へのパスポート 〔第2版〕 |
---|---|
参考価格 | ¥1,320 |
出版 | 税務経理協会 |
「CIA(公認内部監査人)合格へのパスポート」はCIA試験のガイドブック的存在。
独学者が以下の試験のポイントを効率的に把握できるテキストです。
あなたも見たことがあるかもしれませんが、CIA試験のシラバスって文字ばかりでわかりづらいですよね・・・
もっと見やすいビジュアルなら理解しやすいのに・・・
その点「CIA(公認内部監査人)合格へのパスポート」はポイントを把握するのに超優秀。
周囲にCIA試験経験者がいないあなたは、独学を始めるまえにこのテキストで試験のポイントを把握して合格へのロードマップ描いてから学習しましょう。
CIA(公認内部監査人)資格試験独学者におすすめのガイドブック2.CIA(公認内部監査人)とは何か
【コスパ最高】
CIA合格者の著者がCIA試験の全体像を丁寧に解説
テキスト名 | CIA(公認内部監査人)とは何か |
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参考価格 | 107円 ※Kindle Unlimited対象 (2024年5月末時点) |
出版 | CIA研究所 |
『CIA(公認内部監査人)とは何か』はCIA(公認内部監査人)試験合格者の著者が、試験の全体像を丁寧に解説している本。
以下の内容が端的にわかりやすくまとめられている、CIA試験概要を短時間で把握したいあなたのバイブルです。
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しかも『CIA(公認内部監査人)とは何か』は Amazon の読み放題サブスク『Kindle Unlimited』の対象作品となっているため、会員であればお得に読めます。
CIA試験の全体像の把握にコスパ・タイパ最高の『CIA(公認内部監査人)とは何か』を下のリンクからぜひチェックしてみてください。
内部監査室への異動は出世コース!前向きに資格やスキルをゲットしあなたのキャリアアップをめざそう
内部監査室に異動になった…僕のキャリアはおしまいだ…
そんなことありません。
15年前と異なり、内部監査室は出世コース。
ゼネラルエレクトリック社などグローバルな企業では、ガバナンスや経営を把握できる貴重な部門として、幹部候補生が異動しています。
もしあなたの会社がこれらの先進的な企業とは異なり、いまだに内部監査室を冷遇する会社なら、下記の方法を試しながら、転職も検討しましょう。
やりたくてもやれない、内部監査の仕事。
内部監査室への異動はチャンスと捉え、あなたのキャリアアップの足掛かりにしていきましょう。
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